雪紅のぼやき

140字の呟きじゃ伝えられないこともあります。

「初音ミク」ってほんとうに二次元なの?

すこし、ふと疑問に思ったこと。書きながら考えるので、長ったらしいですがお付き合いください。



べつに、初音ミクに限った話ではなく、ボーカロイドという存在全体に言えるかもしれないけど。
でも、ボーカロイドの中で一番異様な(って言ったら好きな人に怒られるかもしれないけど、「音声合成ソフト」として、って意味です)存在が、初音ミクなのでそれでいきますね。


もしかしたら初音ミクよりずっと前に、似たようなバーチャルアイドルが居たかもしれませんが…。
アメリカの方では、あるって聞きました。何だったかな~。
ですが私はそちらの方は詳しく知らないので割愛させていただきます。ごめんね。
(興味はあるのでバーチャルアイドルでライブしたってのならコレじゃない?って知ってる方は教えてくれるとうれしいです。)

あと、すごく個人的な話ですが私はいつもミクのことをミクさん、って呼んでます。
ここでも呼びたいけど、たぶんミクのことをミクさんって呼ぶ人のことがなんとなく苦手なひとって居ると思う。
オタクっぽいとか、二次元に向かってさん付けって気持ち悪い、とか。
そんな人が途中で読むのをやめたら、なんとなく悲しいからここではミク、って呼び捨てにしてます。
ツイッターとかで私のことをよく知ってる人へ向けて、でした。

初音ミクのライブ


たびたび、ネットのニュース記事になってたりもしてるからよくよく知ってる人も少なくないと思う。
ミクは、過去に現実の世界でライブをしています。
2013年8月30日には横浜アリーナで、マジカルミライというミクを中心にしたイベントがありました。そのイベントのメインが、マジライブと呼ばれるライブでした。
18歳以下の方に優先してチケットが当たる昼公演と、夜公演の2公演が行われました。

私は、その公演(マジカルミライ)に行ってきました。
それ以前にもライブがいくつか行われていましたが、その時は動画サイト「ニコニコ動画」(ミクが有名になった拠点、またきっかけとも言えるサイトだと思います)のニコニコ生放送というもので生中継を見るだけで、行ったのはマジカルミライがはじめてでした。



率直に感想を言うと、「すげぇ!」の一言でした。
まず観客が幅広い!
中高生らしき子、青年期くらいの人、社会人くらいの人、もう定年迎えていらっしゃるだろう方までいました。
さらに、男性ばかりでなく女性もかなり多かったです。歓声も女性の声が目立っていました。
どこからこれだけの客を集めてきたんだ、ミクは…。


ライブの時は難しいことなんか何一つ考えずに一人のファンで居ました。
が、終わってからほっと息をつくと、ここはなんて異様な空間なんだと少し呆然としました。

二次元のライブが、生々しい


ミクのライブがどうやって行われているのかというと、簡単に言うとディラッドボードというスケスケの巨大な画面にミクを映し、演奏はミクの声が予定通り流れるのでバンドがそれに合わせます。(透明でなくて真っ黒の画面が使われたこともありましたが基本はスケスケ。)
言ってしまえば、それはライブという生々しさではなく、どちらかというと映画だとかそういった方が近いのかもしれません。
ミクは生きていないし、画面に映された絵なんです。そう、ただの二次元に合わせて人間が演奏しているというヘンテコな状態。ライブと言っていいのか、これ。
ライブと言ったら生きたアーティストが同じ空間に居て、その腹から声を出して歌ってくれるものですよね。(口パクアイドルもいるじゃねえか、とか夢の壊れる事は言わないであげて!)
じゃあ、命を持たないただの動く絵、アニメーションであるミクのそれってライブって言えるの?


私は、あれは確かにライブだったと思いました。
ミクは休憩にMCだってしません。よくがんばって、「みんな、今日は来てくれてありがとう~。楽しんでいってね!」ぐらいしか、おしゃべりしません。いつも同じ揺れ方の歌声しか出しませんし、振り付けだって1mmたりともぶれない。実に、人間らしくありませんよね。
でも、それでも私はミクが生きている!と直感みたいなもので感じました。なぜでしょうか。
簡単な答えが、「観客」という存在かなと思いました。
観客がいなければそれは殺風景なものでしょうね。バンドメンバーの周り以外は、無機質感で溢れてると思います。
ですが、そりゃあもう幅広い年代の多くの観客たちが夢中でサイリウムを振り、「ハイ!ハイ!」と大声出して、ピョンピョン飛んでいる。曲の合間のちょっとした沈黙で、ミク達の名前を叫ぶ。
その熱狂具合が、とっても生き生きしすぎてる。真ん前の座席なんか、今一番人生で楽しんでます!ってくらい。
さらに言えば、その熱狂に応えるだけのリアル感、そこに立っているようにミクを見せる技術も重なっている。
ミクが感情を持って動いてるように表情や目線に絶え間なく気配りして動いてるミクの絵を作ったりした人の技術とか、ね。
だから余計に、「ミクが生きてる!」って思ってしまったんだと思います。



そこに存在してるのは、観客たちの絶対的な思い込みみたいなもの。
「ミクはそこに居る」という前提が、もう当たり前になってしまっているんです。
あのライブでの感想をいろいろ見てみましたが、「まあ、スクリーンだししょうがないよね」っていう諦め的な感想はあんまりなかったです。「ミクがそこに居る(ように見えて)当たり前」っていう見えない大前提を置いた上での感想がすごく多かった。
これって、どうなんだろう?
ミクには名前・身長・体重・得意な曲のジャンル・得意な音域・見た目の設定しかされてません。性格は何一つ描写されていないのです。
ネット上でみんなが自由に「俺のミクはこうだ!」って一人ひとりそれぞれの初音ミク像を持っている。中には「感情を持たない歌唱ロボット」という初音ミクもいると思う。「人の数だけミクの姿は変わる」っていうすこし変な初音ミク像を持つ人もいると思う。
全員の頭の中で思い描く初音ミクは違うのに、ステージ上で歌って踊る初音ミクを見て、みんな熱狂する。細かい「俺のこだわりミク」さえも忘れて。
コイツを、ただの二次元、アニメ的なサブカルチャーな存在、と切り捨てることってできるのかなあ。
確固とした設定もなくとりあえずデカイ緑のツインテール生やしておけばミクとされるその存在はもう、概念とかソッチに近い気がする。カタチと、歌うための声だけを持った概念。
「ミクはもう宗教に片足突っ込んでるんじゃないの?」といった意見も見たことがありますが、とてもよく分かります…。宗教については詳しくないので、むしろ無知なのでそこらへんはよくよく言えませんけれども。


ミクの持つ二次元らしさ


よくよく考えてみると、ミクはじめボーカロイド達にはそれこそ星の数ほどの楽曲を持っているわけです。
音楽に乗せた歌詞という形で世界を広げていけるんですよね。しかも「こんなミクは嫌だな…」と思ったら嫌うのは曲であって、ミク自身ではない。
そういう世界の広げ方って、現実の人間じゃやりようがない。だって人間は確固とした個人であって、その中にある想像の世界観を歌ったところで人間は人間、現実の人間なんです。
けれどミクは二次元の存在で、どんなフィクションだろうがアニメ的な画でほんのり馴染んでくれる。
たとえばPVとかで空を飛んだりしても、人間だと演出すごいなー装置すごいなーとか思ったりするよね。感動したとしてもまさか本当にその人が不思議な力で空を飛んでるなんて思う人はいないでしょう。(純粋な子供の場合は知らん!)
じゃあ、ミクがPVで空を飛んでみたとしよう。それは紛うことなきただの絵です。けど、視聴者はミクが空を飛んでる!って「現実では不可能だから」っていう前置きがスポーンと飛んでいくと思う。だって二次元だもん。
そういうちょっと現実ではありえない、人間じゃないっていう遠くの世界の感覚。
だけど、ミクが歌うための音楽と歌詞は人間が用意してる。その音楽から漂う、人間らしいナマくささ。
遠くの世界にいるような存在が、人間の等身大の気持ちをこめた歌を歌っている。
言葉にするとものすごい新感覚ですよね、これ。
そういう化学反応みたいなのもあって、ミクは広がりに広がってこんなヘンテコな概念になったんじゃないかなーって思ってます。
Innocenceの歌詞、「仮想(バーチャル)と現実の狭間で 私は生まれ愛されてきた」って、本当にその通り。
どっちつかずのよく分かんないミクだからこそ、こんなに愛されたんじゃないかな。

【初音ミク】Innocence(Long version)【オリジナル】 ‐ ニコニコ動画:GINZA




コレ、すっごい視聴者目線での文章ですね。といっても私は音楽やってないんで創作する側からのキモチとかはきちんと書けないと思います。
曲を作るまでにかかる手間だとか、再生数を気にしてしまう気持ちだとか、それに寄せられたコメントの一喜一憂の感じが分からないのでその辺は、割愛。
そこの作る側の世界っていうのは私には垣間見ることができない場所なので、またもうちょっと別のものがあると思います。
これは間違いなくあるだろうな、っていうのは「愛着」だとか、勉強的な目線も含めて他のミクを見てるんだろうなっていうのぐらいしか思いつきません。その辺はみなさんで勝手に想像してみてくださいな。
「こんなんだよ!!」って自分から文章にして発信するのもいいと思います。



多分、私が見逃しているだけで山ほどのアマチュアもワイワイ賑わっているんだと思います。
ただボカロっていうジャンルがあんまりにも賑わいすぎて、もうどこが盛り上がってるのか分かんない。
私にできるのはたまにオリジナル曲タグを新規投稿順に並べて見てランキングに載らない良曲を聴き貪ることぐらいです。
ランキングに載っているような曲は基本的にどうでもいい人たちのコメントであふれてて目障りなんで、意外とそういう自分だけの隠れ家的お店な感覚で見てると結構楽しいですよ。



さてさて、あっという間に4400字超えてしまって超ヘヴィーな文章だなコレ!!オイ!!!
こんな予定じゃなかったんですけど!!こんなに長いの書いたの誰だ出て来い!!!!!!!(お前だ)
はい、自己ツッコミが一昔前のサイトのノリって思った人は後で体育館裏に来なさい。語りたい。


多分ミクの魅力は「見て終わり」じゃなくて、「参加者として盛り上げることができる」ことが最大の魅力。
ああ自分いま、この渦の中の一人としてミクを盛り上げられてるんだ!っていう実感が、割と手軽に得られること。
ミクの周りは毎日がお祭りっていうのかな? だから楽しいんだろうなーと思います。

と、あまり語ると5000字に届いてしまうのでこの辺で。
最後になりましたが、以外と世界そのものはクリーンなんでコメントさえ排除したら楽しいですよ。らんらん。

1つめの記事

 

えっと。とりあえず、なんとなく、ちょっと長くて難しい考え事とかそういったことをボワボワしてしまうときに、特に話せる人とか居なかったりした時だったりとか、これはきちんと形に残しておきたい時だったりとかに使いたいのでブログをつくってみました。

 

考え事の多い人間ですが、よろしくお願いします。

なるべく明るい気持ちになれるような考えがしたいなー。